コンサルのランクごとに必要となるスキルとは何か

今日は、コンサルタントのランク(スタッフ、マネージャ、シニアマネージャー、パートナーなど)が上がるにつれて、求められるスキルが変わってくるという話をしたいと思います。

何となく変わってくるとは思うけど、具体的には知らないわー。

そうでしょう。この点は、あまり明示的に言語化されて語られることはありませんので、今日は業界歴10年以上の私がご紹介してしまおうと思います。

では、行ってみましょう!

若手に必要なのはソリューション力

コンサルタントとして若手(マネージャ未満)の頃は、ソリューション力が何といっても必要です。

ソリューション力には大きく2つあります。

1つは、戦略や生産管理や人事や会計やテクノロジといった機能軸での知見で、もう1つは、ロジカルシンキングやトーク力や資料作成技術といったコアスキルです。

そもそも若手は、マネージャの指示に従い、それに沿ってクライアントの具体的な課題を解決していくことが求められます。

そのため、当然ながら、戦略や生産管理や人事や会計やテクノロジといった領域における具体的な課題への対策案を立案できる必要があり、それをロジカルに整理して資料に落とし込み説明できることが求められるというわけです。

マネージャに必要なのはマネジメント力

マネージャは、プロジェクトの若手層に対して指示を出し、自らもデリバリをこなしながら、その品質、要員の作業工数、期限といったQCDを管理していくことが求められます。

若手に指示を出すということは、当然、若手よりもソリューション力を持っていることが前提となります。

その上で、さらにプロジェクトマネジメントの能力、いわゆるPMBOKに表されるような知識と経験が求められます。

こちらの記事にPMOのスキルを記載していますが、まさにこうしたチームマネジメント能力が明確に求められるようになるのがマネージャからです。

シニア層に必要なのは営業力

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マネージャより上位の職種になってくると、自分で仕事を取ってこれないと話になりません。

これまでは、自分の上司たちが用意してくれたプロジェクトに対応していくだけで問題ありませんでしたが、今度は自分自身で営業をして、案件を取ってこなければならないのです。

もちろん、黙っていてもクライアントから声をかけてもらえるケースもあるでしょう。しかしコンサルがコモディティ化しつつある今、そのような殿様商売をしていられるファームは皆無と言ってよいでしょう。

さらに言うと、コンサルタントは職人気質の人が多いため、実は営業が苦手な人は多く、営業そのものをコンサルのメインの仕事だと考えていない節が強いです。

そのため、営業を体系的に教えてくれる先輩はほとんどおらず、この壁にぶち当たって出世できなくなるコンサルタントは多くいます。

パートナーに必要なのは政治力

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そして、コンサルタントのある意味の到達点であるパートナーになると、今度はさらに政治力が必要となってきます。

パートナーになると、それまでコンサルタントとして優秀だった人たちが急にクライアントを見ずに社内の縄張り争いにばかり興じるようになる場合があります。

なぜなら、パートナーにまでなると、一般的な会社と同様、さらに上に登ろうとするとポジションが少なくなってくるため、合理的な判断というよりは、いかに仲間を作るかという政治力で自分の立ち位置が決まってくるからです。

そもそも、コンサルタントたちというのは優秀ですので、大した経営ができていなくても部下が上手く動いて組織は回ってしまいます。この点も社内政治が横行してしまう原因でしょう。

そして、ファーム規模が大きければ大きいほどこうした傾向が強くなっています。

 

さて、いかがでしたでしょうか。

パートナーのところは少し残念な感じですが、現実を知っている方にとっては納得感のある内容だったのではないでしょうか。

あくまでも複数のコンサルティングファームに10年以上在籍している私個人の見解ではありますが、皆さんの参考になれば幸いです!