コンサルはなぜ高級派遣のようになるのか【御用聞きコンサル】

コンサルティング会社にいると「あいつは高級派遣コンサルだ」とか「ただの御用聞きだ」というような揶揄がよく聞かれます。

簡単にいえば、コンサルが本来やるべき「あるべき姿の提言」をせずに「クライアントのご機嫌取り」ばかりしているコンサルタントのことですね。

いるよね~どこにでも。でもそういう人のほうが稼いだりするんだよな・・

そうなんだよね。

ということで、今日は高級派遣(御用聞き)コンサルについて解説するとともに、なぜそうなってしまうのかについて、お話していきたいと思います。

コンサルが高級派遣になってしまうのは、実行支援系で調整力が問われるとき

コンサルタントというのは、本来、クライアントの課題を解決するために雇われた専門家集団のことです。

しかしながら、こちらの記事でも触れましたが、コンサルタントの仕事は、ロジカルシンキングやソリューション知識といったスキルだけが求められる案件ばかりではありません。

特に、業務改善やシステム導入といった実行支援系では、クライアント内外での調整力を求められるケースが多いのが実態です。

具体的にいえば、実行支援系とは、構想策定や要件定義を実施した後に、それを実際に業務の中に落とし込んでいくフェーズに該当しまうので、ミドルマネジメントやその下の課長や担当レベルに対して、プロジェクトの意義を説明し、既存の業務のやり方を変えていってもらうための調整を行っていくことがメインの仕事になります。

こうした調整力が求められるシーンでは、ロジカルシンキングよりも、人間力や共感力が必要となってくるため、どうしても「従来のコンサルタント像」というよりは調整屋の仕事になってきます。そのため、周りにはクライアントのご機嫌取りばかりしてる御用聞きや高級派遣といった印象に映るのです。

調整力が求められる仕事とはどんなものか

実行支援系で調整力が求められる仕事といわれてもイメージがわきづらいですよね。

分かりやすく説明すると、エッジの効いた解決策を立て続けに立案していくというコンサルのイメージとは違い、以下の仕事がメインとなります。

  • クライアントからの依頼に応じ、内外での調整のための説明資料を作ったり、説明や説得をしたり、細かな課題を解決したりする
  • クライアントの気持ちに寄り添いながら一緒に汗をかいてプロジェクトを推進する

こちらの記事に書いたPMOコンサルティングなどがまさにそれです。

たまに、戦略系や構想策定・要件定義の部分についても高級派遣呼ばわりする人がいます。高級派遣の定義は様々ですが、一般的にはそれらは含まれず、実行支援系の仕事が「御用聞き」「高級派遣」と呼ばれてしまうという理解でよいと思います。

なぜ調整の仕事が求められるのか

世の中の仕事はまだまだ結局は人が行っているからというのが答えです。

分かりやすくいえば、クライアントが新しい方向に向かって変わっていくためには、クライアント内外のスタークホルダーの納得が不可欠であり、そこには調整の仕事が多くあるのです。

そして、人は感情の生き物ですから、論理的に正しい説明になっていたとしても、それは嫌だという人たちは大勢出てくるものであり、そこをなんとか懐柔しながら地道に説得していくというのは大変な仕事なのです。

たとえば、クライアント内外の調整先からは「プロジェクトの目的はわかるが、既存の業務を変えるのは手間」や「あいつらが勝手に主導しているプロジェクトに協力したくない」といった(心の?)声が聞こえてくるものです。

クライアントの主担当自らが内外の調整をした場合、自分よりも力のある人に対抗されては前に進めません。そして、その人から嫌われでもしたら、会社を辞めるまで嫌がらせを受けるかもしれないのです。

ゆえに、こうした大変な仕事を第三者に委託してしまうクライアントというのは、とても多いわけです。

そして、委託するなら、その分野に精通しており、地頭もよくて手際もよく、コミュニケーション能力の高いコンサルにお願いしようとなるのは、ある意味普通なのかもしれません。

コンサルはなぜ実行支援系を引き受けるのか

こんな質問をコンサルに聞けば「策定した戦略や構想が具体的に実行にまで落とし込まれるところを支援したいから」という答えが返ってくるでしょう。

気持ちとしてそれは間違っていないのかもしれませんが、現実的には、お金になるからというのが判断の大きなウェイトを占めています。

実行支援系では、新しい業務であったり、システムを導入していくことになりますので、その対象範囲が大きければ大きいほど、多くの人との調整が必要となります。

また、調整には自ずと管理作業が伴います。プロジェクト全体の関係者の進捗や課題を管理していくにはどうしても多くの工数が必要となります。

そのため、簡単にいえば、コンサルティングファームとして実行支援系は多くのコンサルタントを配置することができるため、お金を稼ぎやすいのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

高級派遣というのは、主に実行支援系の案件でいわれること、実行支援系では専門性の他にも調整力や管理力が必要となり、そこは大変な仕事のため、クライアントはコンサルの支援を求める、コンサルはお金になるので引き受けるということでした。

実は、調整や管理というのは難易度の高い仕事であり、コンサルティングファームの人たちでさえ、自分たちの価値をよく分かっていないこともあります。くわしくはこちらの記事に書いていますのでご覧ください。

引き続き、有益な情報を提供していきますのでよろしくです!

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