【アニメ】PSYCHO-PASS(サイコパス)2の鹿矛囲は特殊な敵キャラだった

先日、こちらの記事でアニメ「PSYCHO-PASS」をご紹介しました。とても反響がありましたので、今回はその続編であるアニメ「PSYCHO-PASS2」をご紹介です。

シリーズ1の「PSYCHO-PASS」があまりにも面白かったので、その続編である「PSYCHO-PASS2」にも期待していたのですが、見た感想としては、まぁまぁかなという感じでした笑

それほどでもないんかい!

それならレビューしなくていいんじゃん?

ただ、特筆すべき点があるんです。

それは、敵キャラの鹿矛囲というキャラクターが敵ボスでありながらENFJというありえないMBTIだったのです。

この点だけでも、このアニメは見る価値がありますので、今日はそこを熱く語っていきたいと思います。

なお、サイコパスを劇場版含めて見れるのは、今は FOD だけのようです。

PSYCHO-PASS1での槙島の存在感

ネタバレ含まれますが、ご容赦ください。

まず、鹿矛囲を理解する上で、同じように敵側のボスだった前回のPSYCHO-PASSの槙島聖護を振り返りましょう。

PSYCHO-PASS1では、槙島というカリスマ性の高い敵ボスがいたことで物語の深みが増えたということは異論の余地がないと思います。

その槙島は、ハンパないイケメンである上に、哲学的な思想をもっていました。

彼の犯罪の動機は「シビュラの言いなりになり自分で判断することを放棄した人間を、本来の思考する姿に戻す」という本質的な問題に向き合うものであったため、敵キャラながらどこかシンパシーを感じられる存在だったのです。

そんな槙島がいたからこそ、PSYCHO-PASS1は単なるSFアニメには収まらず、数十年後に必ず訪れるだろう監視社会についての哲学的な問題を投げかける作品に昇華したのです。

鹿矛囲とは何者だったのか

そして、PSYCHO-PASS2で登場した鹿矛囲桐斗

彼は、もともと過去に起きた飛行機事故の唯一の生存者で、事故被害者184人の遺体の一部を移植して出来た「集合体」という存在、つまりフランケンシュタインだったわけです。

集合体であったことからシビュラに認識されない透明人間になってしまったために、いつしか自分の存在をシビュラに認めさせ、さらには免罪体質者の集合体であるシビュラ自身を裁くことを目的とするようになります。

この鹿矛囲の目的自体が、槙島に比べるとスケールが小さく、分かりづらかったと思います。それが人気が上がらなかった理由の一つでしょう。

また、槙島というキャラは、人としての自由意志を大変尊重しており、自分で自分の意志を決められない人間などには存在価値さえないとまで考える人でしたが、鹿矛囲にはそういうところはありません。鹿矛囲は人の自由意志などには興味がなく、むしろ自分の存在を認めてほしいという個人的な欲求に基づいて行動しています。このあたりもスケールの小ささを感じさせてしまいます。

しかし、鹿矛囲はなんとなく良いヤツなんですよね。敵ボスなのに、語り口調が優しくて、酒々井たちには思いやり?のようなものもあって、どことなく憎めない良いヤツなのです。

鹿矛囲はENFJで敵ボスというのは無理があった

なぜ憎めないのか。それは鹿矛囲のMBTIがENFJだという点からも分かるかと思います。

MBTIについてよくわからないという方は、こちらの記事をご覧ください。

ENFJというのは、実は主人公キャラなのです。思いやりがあり、さらには悪に向かって立ち上がることができる強さも持っていて、だけども傷つきやすいガラスハート人間がENFJです。

ENFJといえば、ナウシカ、アンパンマン、孫悟飯などに代表されるように良いモンのキャラばかりであり、悪役などは見たこともありませんでした。

ゆえに今回、鹿矛囲がENFJでありながら悪役でありかつそのボスであったことは、とても珍しいことであり、だからこそ、敵のボスとして中途半端になってしまったのかなと思います。

PSYCHO-PASS2におけるその他の感想

冒頭に触れたPSYCHO-PASS2がPSYCHO-PASS1よりもつまらなかった理由は、PSYCHO-PASS1は全部で500分あったのに対して、PSYCHO-PASS2はその半分の250分弱しかなかったという点に尽きるかなと思います。

そのため、鹿矛囲を筆頭にキャラのバックボーンを丁寧に書くことができず、ストーリー展開にも奥行きが作れなかったんだと思っています。

それでも、霜月であったり、雛河であったりはPSYCHO-PASS2から本格的には登場し、PSYCHO-PASS3でも活躍するキャラクターですので、名作であるPSYCHO-PASS3を楽しむためにも、PSYCHO-PASS2は見ておくべきだと思います。

また、個人的には、雛河の声優が、あの槙島の声優である櫻井孝宏さんなので、声の使い分けに感動するとともに、この作品の中でまた声が聴けて嬉しかったです。