日本の3大課題【少子高齢化、景気低迷、財政赤字】複雑に絡み合っていて解決は困難なのか?!

これまで、地球規模の社会課題としてSDGsを取り上げ、環境破壊と格差についてこちらの記事などでお話してきました。

今日のテーマは、私たちが住んでいるこの日本における社会課題です。

日本は課題先進国だよね。

課題先進国というのは、これから多くの国が直面するであろう課題に最も早く対処しなければならない国のことです。日本は、どの国も解いたことのない課題に対処しなければならない国ということです。

①少子高齢化

資本主義における国力の指標はGDPです。そしてGDPにおいて重要な点は人口です。もう少し細かく言えば現役世代の労働人口と、今後の国を支える若年層の数となります。

しかしながら、現在の日本では、急速に子供の数が減り、高齢者の数が増え、重要な働き手は減る一方の状況です。

65歳以上の人口割合は、2015年の26.6%から2060年には39.9%となると予想されています。約50年間で1.5倍となる計算です。

一方、出生数については、同じく2015年に101万人であったところ2060年には48万人にまで減ると予想されています。こちらは約50年間で半分となる計算です。

このまま人口が減り続けた場合、2060年には総人口が9,000万人程度となります。これは、日本の国力が中国やインドと比べて圧倒的に下がることを意味しており、社会における日本のプレゼンスが低下するだけでなく、戦争などの問題があった場合に、不利な状況になりかねない死活問題ということになります。

②財政赤字

現在の日本は、膨れ上がる社会保障などを税収で賄うことができず、大量の国債(国が行う借金)を発行しており、いわゆる財政赤字といわれる状況です。

どのくらいかといえば、2020年10月時点の国内総生産(GDP)比で266%となっています。これは、米国のほぼ2倍に達するもので、先進国の中でも飛びぬけて大きな数字です。負債から金融資産を差し引いた純債務でみたとしても、デフォルトに陥ったギリシャに近い数字となっています。

ただし、歳出における国債の費用というのは、過去に発行した国債の利払いと償還を指します。それゆえ、今年に実際にかかる費用が今年の税収でどの程度賄えているのかという点も重要になってきます。これをプライマリーバランスといい、日銀はまずこのプライマリーバランスを黒字化するといっていますが、こちらも未だ赤字となっています。

そもそも財政赤字というのは、永遠に国債でお金を集められれば問題にはなりません。

自国通貨建ての国債はデフォルトしないと言われています。しかし、日本以上に債務超過になった国はなく、本当に大丈夫であるかは、誰にも分からないという点があります。

③景気低迷

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現在の日本は、コロナウィルスの感染拡大によって、2020年は景気が低迷してしまいましたが、それ以前も決して景気が良いという状態ではありませんでした。

日銀の量的緩和といった施策により、株価は高い状態になりましたので、投資家にとっては景気が良かったと思いますが、私たち一般の消費者にとっては、お財布の中身が潤ったという実感はなかったのではないでしょうか。

つまり、企業の内部留保が膨らむばかりで、それが従業員に還元されていないということです。

お金というのは、経済にとっての血液を意味します。どこかで溜まっている状態は決してよいものではありません。

企業が稼いだお金が、きちんと給料として消費者に還元されることで、一般の家庭に子供を産む余裕が生まれます。

さらに、消費者も貯金ばかりするのではなく市場でお金を使い、国としても税収が上がることで、財政赤字が解消されていくのです。

三つの課題は複雑に絡み合っている

では、3つの課題の大元ともいえる③景気低迷については、どうすればよいでしょうか。

これは、対策としては様々なことが挙げられますが、最も一般的で効果が高いと言われているのは、政府が行う景気刺激策です。

具体的には、国債を発行してお金を集めて、公共事業であったり、支援金や補助金を出したりして、企業や国民にお金が回るようにするのです。

しかし、よく考えてみれば、国債を発行するということは、もし景気刺激策が不発に終われば、②の財政赤字に繋がってしまうわけです。

また、そうなると社会保障を削ったり、税を重くせざるを得なくなり、少子化が一層進むとともに高齢化社会に必要な年金などの社会保障が賄えなくなるなど、①少子高齢化の問題が進んでしまうわけです。

このように日本が抱える三大課題は、鶏が先か卵が先かの議論のように、あっちが立てばこっちが立たないといった複雑な絡み合い方をしているところが難しいのです。