コンサルでの営業、提案活動の極意

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以前、こちらの記事でお話したとおり、コンサルというのはタイトルが上がってくると営業力つまり案件獲得力というものが問われます。

そこで今日は、コンサルファームで営業したり提案活動するときに必要なものは何かについてお話します。

コンサルファームのシニア層で、クライアントへのコンサルティングをやりながら案件獲得に奔走している人は、共感してくれるでしょう。

また、今後キャリアを積み重ねていく中で、案件獲得に向けた営業、提案活動に参加していくジュニア層の人には、これからの糧になってもらえればと思います。では、行ってみましょー!

対クライアントではなく対競合で戦略を立てる

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営業つまり案件獲得に向けては、対クライアントではなく対競合という視点でビジネス戦略を立てる必要があるということです。これが基本です。

クライアントにとって何が良いことなのか、どうしたらクライアントにもっと喜んでもらえるのかという視点はたしかに必要です。しかし、そこで止まっているようでは一歩足りません。

ビジネスは、あくまでも競争なのです。どんなにクライアントのために良いことであっても、競合がそれを上回っていれば勝てません。

常に競合の動きを見極めながら、自分たちが有利になるように戦略を立てていくことが、案件を獲得するために必要なことなのです。

競合との勝敗は、情報と信用で決まる

そして一番大切なポイントをお話します。

競合との勝負において、何が勝敗を決する要因となるのでしょうか。

それは、情報と信用です。

情報とは何か

まず、営業における情報とは、クライアント内部の情報に尽きます。

つまり、クライアントがコンサルに高いお金を払ってでも仕事を依頼しようとしている背景としてクライアントがどのような潜在的な課題やニーズを抱えているのかという情報です。

コンサルは案件獲得に向けてクライアントに提案を行なっていきますが、この情報をどれだけ事前に手に入れているかによって、提案内容が大きく変わってきます。

もし、たいして有益な情報を得ていなかったら、提案書は一般的な内容に留まり、クライアントに刺さる内容になりません。逆に、有益な情報が手に入っていれば、提案内容はクライアント固有の課題やニーズに踏み込んだものとなり、クライアントに刺さる確率が高くなるということです。

そして、競合が手に入れている情報よりも多くの有益な情報を手に入れていれば、競合よりもクライアントに刺さる提案ができるということです。

信用とは何か

次に、営業における信用とは、クライアントからどれだけ「仕事を君たちに頼みたい」と思われているかどうかです。

こんな話があります。

某コンサルファームが某クライアントに入り込んでいて、他のどのコンサルファームよりも圧倒的にクライアントが抱えている課題やニーズ、つまり情報を把握しており、提案内容はクライアントの課題に具体的に踏み込んだ刺さる内容となっていました。

しかし、クライアントはそのコンサルファームに感情的な観点からもう仕事を頼みたくないと思っていました。

そして、いざコンペとなったら、情報を全く押さえることが出来ていなかった他のコンサルファームが受注してしまったのでした。これはつまり、入り込んでいたコンサルファームは、情報では勝っていたけれど、信用で負けたということです。

コンサルの仕事は、クライアントに寄り添って進めていくものなので、アウトプットの論理的な精度の高さとは全く関係ないところで、感情で判断されてしまうということです。

新規のクライアント獲得の難しさ

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クライアントに関する情報と信用という点で競合他社に勝っているかということが、案件獲得のポイントです。

つまりは、いま入り込んで情報を掴んでるクライアントから信用を得るということが、案件獲得の一番の近道だということです。

逆に言えば、情報も信用もない新規のクライアントを獲得するということは、とても難しいということです。

新規のクライアントから案件を獲得したい場合は、虎視眈々と営業をかけつつ、そこに入り込んでいる競合他社がミスするのを待つのです。

もし勝てないことが最初から分かっていても営業を続け、低い概算見積などを出しながら、長期的に競合他社にプレッシャーをかけ続けることが重要です。

情報と信頼のうち、情報のほうが手に入りやすいですから、あとは信頼だけが欲しいとなったときに、無償でサービスなどをしながら、少しずつ信頼を得ていくのです。

価格勝負は次元が低いと見做す人もいますが、それはビジネスを大局的に見ることができていません。実際、価格によって競合他社を苦しめスキをついて自分たちが新規に入り込んだ後、後続の案件で大きく取るということはよくあります。

ビジネスでの情報格差と信用格差

少し大きな話をします。

この情報と信用は、昔から商売に使われており、情報格差と信頼格差はビジネスの根幹だということです。

‪たとえば、弁護士のような士業では、情報の非対称性は古くから商売道具の根幹ですし、お店や商品にとっては信用、つまりはブランドこそがビジネスの基礎となっています。

‪一方で、この二つは独占を作り出す要因にもなっています。

競合他社に対して、情報格差と信用格差をつけてしまえば、そのクライアントを独占することができるということです。

インターネットは本来、情報の格差を無くすためのものでしたが、GoogleやAmazonといった米のプラットフォーマーが出てきたことで、情報が独占されつつあります。

そして、信用格差については、いまだに解決の糸口が見えていません。信用をスコア化することで個人でも大企業のように取引できるようになるかもしれませんが、そうした土壌はまだできていませんし、プラットフォーマーのように違った弊害が出てきそうです。

この情報格差と信用格差は、SDGsのように我々現代人の抱える課題といえるでしょう。