「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
これは、1998年にPayPalを共同創業し、Facebook初の外部投資家となった有名投資家ピーター・ティール氏の言葉です。
ピーター・ティール氏については、以前、こちらの記事で彼に関連する本を書評しました。
この言葉には、競争戦略において重要なヒントが隠されていますので、今日はそれを解説していきます。
この質問への答えは、他社に差をつける先見の明
結局のところ、競争というのは、ある企業が他社を凌駕するサービスを生み出して一時的にトップになるものの、その後に他社にマネをされて追い付かれるということの繰り返しです。
そのため、いかにマネできないようにするかという参入障壁の高さが重要となり、他社がマネし始める前に圧倒的なシェアを作って顧客を囲い込むことが必須となります。(そのため、スタートアップは投資家からの資金を一気に溶かし続けるのです)
ここで重要となるのが、他社がマネし始める前にいかに時間を稼げるかという点です。時間稼ぎというのは、他社が気づく前に新しいサービスの良い点を見抜くことに他なりません。つまり、先見の明です。
他社にとってはバカ・非合理・無意味に思えるようなことでも、近い将来に大きく化けることを自分だけが見つけるということです。
この先見の明を生み出すヒントが「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」という問いの答えだということです。
そして、他社がその良さに気づいたときには、すでに先行者優位を圧倒的に築いた後にしてしまうということです。
賛成する人がほとんどいない、大切な真実の事例
それでは「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」の答えが先見の明となった事例を見ていきましょう。
孫正義氏がアリババに投資した目利き
ソフトバンクの孫正義氏は、1999年に20人の中国人起業家に会い、その中の1名だけに投資をしました。その額は20億円。
それがアリババのジャック・マー氏です。アリババは、2014年に2.7兆円というIPOを果たしました。アリババのニューヨーク証券取引所への上場で、ソフトバンクが保有するアリババ株は5兆円にまで上がったことはあまりにも有名な話です。
これは、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」の良い例です。
この頃のアリババは、まだ収益も上げていない状況でしたので、多くの人にとってアリババへの投資は、バカ・非合理・無意味に思えたでしょう。
しかし、孫正義氏だけは、1999年の時点で、中国市場のeコマースが高いポテンシャルを持つことを見抜いていたということです。
ピーター・ティール氏がFacebookに投資した目利き
ピーター・ティール氏が投資したFacebook社も同様に「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」の好例です。
当時のFacebook社は、ビジネスモデルもできておらず、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は大学生で社会経験さえありませんでした。
当然ながら、その他の投資家にとっては、ビジネスモデルもない若者に大金を投資するという考えはありませんでした。
しかし、ピーター・ティール氏だけは、ソーシャルネットワークサービスが今後重要になることを予見していたということです。
つまり、Facebookが考えていた「ネットですべての人を繋げる」というビジョンは、世界中の人々のデータをグリップできるようになり、それらの情報は確実にマネタイズに繋がるということを、他社は見抜けなかったものの、ピーター・ティール氏には見抜けていたということです。
この質問への答えを考えてみる
最後に、私自身で、この質問への答えを考えてみます。
- 愚昧な人に道理は説くな(こちら)
- 親切と公平性は相いれない(こちら)
- 人は皆、客観などなく主観で生きている
- 公平性と今後、数十年において、日本には外国からの移民が増える
- 今後、数十年において、世界中でAIによる監視が進む
- 人は集まるだけで、ムダなコストが増える(人は離れれば生産性が上がる)
- 学校のような集団生活は、ムダである(すべてE-Learningになっていく)
- 資本主義は、地球にとって害である
- チャンスは人が運んでくる
- 努力は報われない
こんなところで今日は止めておきたいと思います(笑)