【ビジネスマン必読】コンサルタントが教えるリサーチ手法【使える検索テクニック】

コンサルとして多くのリサーチに関わってきましたので、今日はその知見のまとめがてら、記事にしたいと思います。

リサーチというのは、合理性の塊のような作業です。つまり、いかに時間をかけずに欲しい情報を手に入れるかということなのです。

時間をかけてムダな情報ばかりを集めても何の意味もありません。高いコンサルフィーをいただいていますので、コスト効率を高める必要があるのです。

今日は、いかに効率的にリサーチをするかという点をお話していきたいと思います。

まず始めにすること:リサーチの目的を理解する

調査を開始する前に、当たり前ですが、報告書のストーリーラインを作る必要があります。ストーリーラインの作り方については、こちらの記事を見てください。

ストーリーラインについては、マネージャなどの上位層の経験値を活かしながら、クライアントニーズを踏まえて設計していきます。

その上で、何の仮説を立証するためにこれからリサーチするのかという調査の目的をしっかり理解した上でリサーチを始めます。

ここがきちんとしていないと、リサーチをする中で欲しかった情報がドンピシャで出てこないとき、または少しズレたような情報が出てきたときに、どこまでが必要な情報なのかの判断を間違えるからです。

たとえば、アメリカでのストリーミング市場の売上を調べようとした際に、売上情報は見つからず、その代わりに加入者数の情報は出てきたとします。その際、もともと立証しようとしていた仮説は、加入者数の情報で立証できるのかという理解がなければ、その情報が必要なのか不要なのかを正確に判断できないということです。

初手:社内の同僚に聞いてショートカット

プライドの高い人が億劫がることですが、まずは他人に聞くということです。

リサーチしたい内容があれば、まず、目的と要点を伝えて、同じようなリサーチを実施したことがある同僚に電話やメールをするということです。意外とここはアナログな人脈が有効となります。

場合によっては、社内・社外問わず、有識者を紹介してもらえますので、そこでのインタビュー内容というのは大変貴重なものとなります。

デスクトップリサーチ:テクニックを駆使

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同僚から情報が来るのを待っている間、デスクトップリサーチ(要はネットでググるということ)を行います。

ここで大切なことは、情報はたくさん出てきますが、玉石混交ですから、できる限り情報は原典にあたるべきです。加工されたデータというのは、大事な情報が抜けてしまっていたり、恣意的に情報が曲げられている可能性もありますので、気を付けてください。

国内情報

マクロ的な情報を調査するには、政府が公開しているデータ(社会福祉や雇用関係であれば厚生労働省のHP、市場規模などの経済情報であれば経済産業省など)が使えます。

ただ、政府のデータは膨大にあって、おばけエクセルだったりしますので、何が必要な情報かを見極める能力が問われます。

あとは、国内であればNEDOやJETRO等の政府機関、ベンチャー系であればCrunchBaseなどの専門的な情報サイトもありますので、有効に使っていきましょう。

意外なところで、政府から委託されていた各コンサルの報告書などもこちらの政府ホームページに載っていたりしますので、そこからも情報収集は行えいます。ベンチャーの市場動向などは既に誰かが調べ済なので、効率的にショートカットしていきましょう。

コンサルやシンクタンクの資料、その他有識者の資料については、Slide Shareでも見ることができます。

海外情報

海外の情報であれば海外政府の公開データ、世界全体のデータであれば国際連合配下の各機関(WTO、WHOなど)のホームページから情報を収集します。

あとは、英語での情報収集に限界がある場合は、現地のスタッフに依頼したり、現地が母国のスタッフに母国語でリサーチしてもらう必要があります

検索テクニック

過去のサイトの様子を見たければ、WayBack Machineを使います。ここはいわゆるサイトの魚拓を取っていますので、ある企業の数年前のHPの内容などをチェックしたいときには、使えるサイトです。

あとは、こちらにまとまっているGoogleのフィルター機能ですね。「””」「site:」「AND」「OR」「-」「filetype:」「cache:」などは良く使うキーワードです。

画像検索とかもよいです。グラフなどが簡単に見つかったりします。

業界誌でのリサーチ

デスクトップリサーチと並行して、業界誌でのリサーチを行いましょう。

SPEEDAなどの情報サイトは、有料ではありますが、豊富な情報が揃っています。短時間で業界の市場動向やトップランナーの戦略をざっくりと把握するには、もってこいのツールです。

あとは、各種総研系が出しているリサーチ結果も使えます。こちらも有料ですが、会社が締結しているのであれば最大限活用しましょう。

あとは、その業界特有で紙媒体の業界誌がけっこう出ています。いまだに紙なのはアレですが、こういうのも会社が定期購読している可能性がありますので、しっかり確認しましょう。こういう紙媒体の業界誌はクライアントも入手している可能性が高いですが、情報としての信憑性は高いです。

有識者・モニターインタビュー

デスクトップリサーチと並行して、有識者インタビューをしましょう。

なぜなら、クライアントに一番刺さるのは、いくら探してもネットや雑誌に落ちていないレアな情報だからです。

こうしたレアな情報というのは、やはり実際に現場にいた人、街にいる実際の消費者に聞かないと分からないことも多いです。

エキスパートインタビュー

簡単なのが、その業界で何十年も経験してきた有識者にインタビューすることです。

こうしたエキスパートとのネットワークを有している仲介会社などもありますので、そこに頼んでインタビューをセットさせてもらいます。要は取材と同じようなものですね。

調査会社の活用

インテージやマクロミルといった調査会社を使うこともあります。

こうした企業は、普段から一般消費者をモニターとして登録していますので、一般消費者向けの調査においては、とても有用になります。

という感じで、いかがでしたでしょうか。

リサーチを行うには、まず全体のストーリーラインと各仮説をしっかりと理解することです。

その上で、デスクトップリサーチと業界誌でのリサーチ、有識者インタビューを上手く使いこなしていきましょう。