【書評】FBIアカデミーの心理交渉術【交渉するときは、相手にすがってはいけません】

世の中は交渉の連続です。努力すれば、才能があれば、誠実であれば幸せが掴めるわけではありません。

交渉力が人生の鍵になっているといっても過言ではありません。

また、こわいこと言い出すよなぁ、楽しければいいじゃん

まあ、楽しければいいのかもしれないけど、できることなら、同じ労力で可能なだけ幸せになりたいですよね。

世の中のあらゆる判断は人間によって行われています。そして、その人間は感情の生き物です。私たちは往々にして好き嫌いで物事を判断しているため、世の中は公平ではないのです。

今日は、そんな不公平な世の中において、皆さんが報われるためにもっとも重要な知恵を共有したいと思います。ズバリ、交渉力です。

他人との交渉なくして果実は得られない

人は報われなかったときに、2つの異なる捉え方があります。それは「受け入れるべき運命」と捉えるか、「立ち向かうべき試練」と捉えるかです。

受け入れるべき運命」と捉える場合は、以前、こちらの記事に「距離を取って放っておく」という方法を書きました。もちろん、簡単にはできないと思いますが、実行できれば効力がある考え方です。

そして「立ち向かうべき試練」と捉える場合は、交渉力が必要となってきます。他人と交渉して、自分の要求を勝ち取るということです。

他人との交渉なしに、自分とだけ戦っていれば済むのはアスリートの世界のみです。ビジネスにおいては他人との交渉なくして果実は得られないということです。

私たちは、毎日誰かと交渉しています。家族であれ、会社の上司であれ、取引先であれ、交渉の連続です。

私たちは、大なり小なりの自らの要求を持ち、お互いに影響を与えるために交渉しているわけです。何も自分の要求を叶えたいときだけに交渉が必要となるわけではありません。他人からやりたくないことを押し付けられそうになったとき、それを跳ね返すためにも交渉が必要となります。

本当に役立つ交渉術は労力・選択余地・交渉期限である

交渉力を上げるために役立つ本をご紹介します。

FBIアカデミーで教える心理交渉術」です。

この本では、交渉術として「信頼関係を作る」「できるだけ多くの情報を掴む」「相手をほめる」「小さな要求から徐々に飲んでいってもらう」「最初から高めに要求を出す」などを紹介しています。一般的には、ハロー効果、ミラーリング、ドアインザフェイス、フットインザドア、アンカリングなどと呼ばれている技術です。

しかし、この本で最も重要なエッセンスは、こうした小手先の技術ではありません。

この本は、交渉において重要な4つの要点を教えてくれるのです。どんなにビジネスで経験豊富でも、上記を守らなければ、交渉において果実を手にすることは容易ではありません。

  1. こちらが有利になる交渉条件を常に頭を使って探す
  2. 相手がどうしてもこちらと交渉したくなるように、相手に労力をかけさせる(交渉するのは最後)
  3. こちらには選択の余地があることを示す
  4. こちらの交渉期限を知られずに、相手の交渉期限を知る

特に、②と③が重要です。

相手にすがるような交渉は絶対NG

②は、交渉において相手にできるだけ労力をかけさせることです。交渉が破綻したら「もったいない」という感情を相手に生み出すということです。これだけで、交渉の成功率は飛躍的にあがります。

よく、言葉では色々言ってくれるけど、何もしてくれない人に騙されてしまう人がいます。こういう場合は、相手が労力をかけていないことを見破る必要があります。

③は、相手にすがるような交渉の仕方は一番ダメだということです。どんなシチュエーションであれ、相手と交渉する場合は、絶対にすがってはいけません。いつでも交渉の余地はこちらにあることを醸し出すのです。自分にはもう選択の余地がないから何とか対応してくれといった、すがるような説得が通じるのは愛のある間柄だけです。

君が必要なんだと訴えると、逆に自分の魅力が下がるというのはご存知でしょうか。その気持ちは、相手にとって重く感じられるので、相手は自由を奪われたり負荷をかけられるように感じるのです。それよりも、君が必要というわけではないが、いて欲しいくらいのニュアンスがいいのです。

合理的な人ほど、情報をすべて開示してさっさと答えてくれ的なやり方をしてしまいますが、それもダメです。効率よくやろうと思ったら、あえて遠回りすることです。

皆さんも交渉に関して注意を払い、十分に知見を付けていただければ、もっと幸せを手にできるはずです!