AIを実際に使ったことはありますか。
そもそもAIが何なのか分からない人も多いのではないでしょうか。もしかしたら、知らないうちにAIを使っていたことがあるかもしれないですが、意識してこれがAIだと思って使ってる人はほとんどいないですよね。
AIを専門に扱っているソフトウェアエンジニアと違って、多くのビジネスパーソンやこのブログの読者に多いコンサルタントにとっては、バズワードとしてのAIは認知しているかもしれませんが、実際にどのようなものなのか、どのように作られているのかもイメージできる人は少数だと思います。
今日は、そんなAIのうちルールベースの単純なものは除き、機械学習についてご紹介します。その上で、機械学習を手頃に体感できるAmazon Machine Learning についてもご紹介していきたいと思います。
機械学習とは
機械学習とは、システムが自ら学習して、精度の高い答えを出す仕組みのことです。
たとえば、これは猫だよーとか犬だよーという写真をたくさんシステムに確認して覚えてもらいます。
そして、いままでにシステムには見せていない新しい犬の写真を一枚、これは犬だよとは言わずに新たに確認させます。そうするとシステムはこれまで確認してきた猫や犬の写真の特徴から、その新しい写真を猫なのか犬なのか判断して回答してくれます。
これが機械学習です。なお、通常の機械学習では、人がシステムに対して、写真のどこに着目すべきかを指定する必要がありますが、そういうこともせずに判断できるのがディープラーニングです。
ディープラーニングは機械学習のうちの一つです。よく分からないという方は、機械学習の中でもさらにすごい技術といった感じで覚えておけばよいでしょう。
実際は、ディープラーニングは機械学習に比べて行列計算を行うためGPUなどにとてもお金がかかる上、難解な数学知識を必要とし、開発も簡単ではないのが実情です。
クラウドAIサービス
機械学習の手触り感を得るために、代表的なAIサービスを使ってみるのがよいと思います。
クローズドなオンプレミス環境で使うサービス(エッジAIといわれます)は、設定に手間がかかる上、初期投資がとても高くなるので、初心者には現時点でハードルが高いです。
その一方、クラウド型のサービス(クラウドAIといわれます)は初期投資が不要な上、使った分だけが請求される従量課金型なので、AIサービスを使ってみたいという初心者にはとても優しいものとなっています。
このクラウドAIサービスは、最近では内容がとても充実してきており、「Amazon」「Microsoft」「Google」といったクラウドベンダーが主な提供元となっています。
彼らが提供するのはAIエンジン(ライブラリ)込みのサービスであり、以下のような機能を有しています。これらはディープラーニングでできています。
- チャットボット
- 画像認識
- 自然言語処理
- 予測
こうしたクラウドベンダーが提供するクラウドAIサービスは、品質も高くユーザーに手間をかけさせないためとても人気が出ています。多くのAIベンダーでもこれらのエンジンを使っているところは多くあります。
Amazon Machine Learning(AML)とは
Amazonが展開するIaaSで有名なAWSは、実は色々なサービスを展開しています。
そのうちの一つがAmazon Machine Learning (AML)です。このサービスは、色々と面倒な手間をやる必要なく、ウェブ上で機械学習(ディープラーニング含む)を活用できるというものです。
機械学習が何なのか全く分からないけど、個人で試しに使ってみて、肌感覚で覚えたいという人には、とっても便利なサービスです。
なぜかといえば、AMLを使うには、Amazon Web Serviceに登録する必要があるのですが、登録自体は無料で、登録後は利用した分だけお金がかかる従量課金の仕組みであり、さらには登録から一年間はそれも無料なのです。
よくわからないまま試してみて知らないうちに高額請求されているということもありません。
Amazon Machine Learningでできること
Amazon Machine Learning (AML)では主に以下のようなサービスを利用することができます。コンピュータビジョン、言語、レコメンデーション、予測などのサービスが充実しています。
- チャットボット(Amazon Lex)
- 画像認識(Amazon Rekognition)
- 自然言語処理(Amazon Comprehend)
- 予測(Amazon Forecast)
そしてこれらのサービスは、以下の三つの予測モデルからできています。
二項分類
二者択一の質問に答えてくれます。要は、何かの質問に対して、YesかNoで答えるものです。たとえば、届いたメールがスパムか否かといった感じです。
多項分類(多クラス分類)
3つ以上の選択肢がある質問に答えてくれます。たとえば、この写真に写っている動物は何かといった質問に、猫、犬、馬、羊といった回答をしてくれます。
数値予測
これは予測などで使われるものです。たとえば明日の株価の予想、一ヶ月後の売上高の予想といった感じです。
Amazon Machine Learningのメリット
AMLに限らず、クラウドAI全般に言えることですが、学習済みモデルが提供されている点は大きなメリットです。
機械学習を一からやろうと思ったときに、一番手間がかかるのが、システム(モデル)に学習させるところだからです。
学習済みモデルの精度については、よくAzure Machine learningと比較されますが、どちらも高いレベルだと言われています。
また、Amazon SageMakerやAWS Deep Learning AMIといったAWSのプラットフォームを使うことで、ディープラーニングで有名なフレームワークであるTensorFlowやPyTorchといったものも使えます。
いかがでしたでしょうか。
次回はAMLの使い方について、解説していこうと思います。
AIだって?
そんなのあるわけないよー