今日は、コンサルティング会社の本質的な仕事についてお話していきたいと思います。
そんな単純ではなく、もう少し深堀していきましょう。
コンサルティング会社の本分は、企業の変革をサポートすることです。つまり、企業のRUNではなくCHANGEをサポートする仕事だということです。
ではじっくり見て行きましょう。
クライアントはRUNのプロ
RUNというのは通常の経済活動を指します。
たとえば、小売業であればモノを仕入れて加工して売るといったことであったり、人事や会計といったバックオフィスの通常業務をRUNとします。
そして、クライアントのRUNを外部がサポートすることをアウトソーシングといいます。たとえば、外部の企業がクライアントに代わって販売代行をしたり、人事や会計業務の代行、システム運用の代行をしたりすることです。
ただし、RUNを行う上で競争源泉となる仕事、つまり経営企画であったり、商品開発であったり、マーケティングという業務は、企業が生き抜くためのいわば企業秘密であるため、通常、アウトソーシングは滅多に行われません。
アウトソーシングされるのは、あくまで「特定のスキルさえあれば、誰でもできる仕事」というのが基本です。つまり、RUNのプロは、クライアント自身だということです。
コンサルはCHANGEのプロ
一方で、CHANGEというのは変革です。
通常の運営を今のまま続けていてもダメだというときに、CHANGEする必要があり、そのときに頼る先がコンサルティング会社ということです。
コンサルティング会社には、CHANGEのノウハウが山ほどあります。変革するための戦略策定、ルール策定、業務プロセスの見直し(BPR)、チェンジマネジメントといった組織・人の変革、デジタル・システム導入などなどです。
膨大な他社事例をベースにベストプラクティスのノウハウをもって、変革のプロとして企業を助けるのがコンサルティング会社ということです。
RUNのサポートはストックビジネス
数年前から、コンサルファームの一部においては、システム保守といったRUNの仕事をサポートするファームが出てきました。つまりは、アウトソーシングを請け負い始めたということです。
この仕事は、コンサルの本分であるCHANGEの仕事ではなく、RUNの仕事です。
しかし、CHANGEのように一回こっきりのフロービジネスではなく、クライアントのビジネスが存続する限り基本は続いていくストックビジネスになるというメリットがあります。
こちらの記事にもあるように、コンサルティング会社は、業容の拡大を続けています。そうした場合に、コンサルティング会社も生き残りをかけて、こうしたストックビジネスを増やしていく必要に迫られているということです。
ただし、先程述べたように、アウトソーシングは「特定のスキルさえあれば、誰でもできる仕事」ということになるので、CHANGEの仕事と比べてRUNの仕事は単価が安くなってしまいます。
そこで目をつけることになるのが、RUNの競争源泉となる仕事のアウトソーシングを請け負うというビジネスです。この部分は、企業秘密の部分となるため、単価がそれほど安くなることもないまま、ストックビジネスになる可能性を秘めています。
昨今のシェアリングエコノミーやクラウドソーシングという追い風もあり、今後、このあたりの仕事をコンサルにアウトソーシングする企業も増えてくる可能性があります。
CHANGEを生業としていたコンサルティング会社が、大きく変わっていくのは、この潮目が来たときだといえるでしょう。
企業にアドバイスすることじゃないの?