【書評】伝え方が9割:「内容」よりも「伝え方」が重要な理由

 

ビジネスの現場では、社内やお客様に何かを説明して「Yes」をもらいたい場面は多いですよね。しかし、伝え方を少しでも間違えてしまうと「Yes」をもらえたはずだったのに「No」になってしまうことがあります。

本書は、コピーライターとして国内外でアワードを獲得するなど活躍されている佐々木圭一氏によるものです。コピーライターという職業は、言葉で伝えていくプロ。

今日は、プロによる「No」を「Yes」に変える技術を学んでいきましょう!

NoをYesに変える技術とは

  • 頭の中を、そのままコトバにしない
  • 相手の頭の中を想像する
  • 自分の依頼と相手の願望とを一致させる

この3つを覚えましょう。

どれも当たり前のことではあります。しかし、その当たり前のことを丁寧に染み込ませてくれるのがこの本の良いところです。

私たちは日頃から、相手のことを考えずに一方的なコミュニケーションになりがちです。自分の思いが強かったりすると余計にそうなりますよね。一方的なコミュニケーションというのは、自分と相手の間にズレを生じさせ、せっかくの「Yes」を「No」に変えてしまいます。

そうならないためには、何かを伝える際に一度立ち止まり、相手の立場になって物事を考え、自分の依頼と相手の願望をすり合わせていく必要があるのです。

歪曲的な表現を用いる

ここからは、「伝え方が9割」を踏まえて、私の独自技術をご紹介します。

そもそも、なぜ伝え方で相手の反応が変わるのかといえば、人は他人から強要されることが嫌いだからです。自分の願望と合っていないことが明らかな伝え方をされても、誰だって「No」となります。

ではどうすればよいでしょうか。まずは簡単なところとして、歪曲的な表現を用いることです。

たとえば「~~していてはダメです」「~~しなければならない」というのではなく「~~したほうがいいかもしれない」という表現に変えるということです。これだけで相手から感情的に拒否反応を持たれる可能性は大きく下がります。

歪曲的な表現を用いたとしても、相手から「Yes」をもらえる可能性が下がるわけではありません。なぜなら、意思決定をするのは”相手”だからです。

上記のツイートでもお伝えしましたが、これはMBTIのNT型が陥りやすい罠ですね。NT型の人は効率重視のために単刀直入な言い方を好むためです。NT型というのはこちらの記事でご紹介しています。

ポジティブな言葉だけを使う

次のワザは、ネガティブではなくポジティブな言葉選びをするということです。

たとえば「Aを選んではダメです」「Bをなければならない」というのではなく「Bを選ぶことによってこうした良いことがある」という表現に変えるということです。デメリットではなくメリットに目を向けさせるということですね。

言葉というのはエネルギーです。あなただけでもポジティブな言葉で前向きなプラスエネルギーを出していれば、相手も自然とあなたの方を向く可能性は高まります。

相手の心に訴える

そして最後に最も高度なワザをご紹介します。以前、こちらの記事も書いたことありますが、本質的には同じです。

上記の記事では「私は盲目です。おめぐみを」という表現では誰も見向きをしませんでしたが「美しい青空ですが、見ることができません」という表現にすることで、大金が集まったというエピソードです。

先程と同じ例でいえば、「~~していてはダメです」「~~しなければならない」というのではなく「一緒に~~をして乗り越えていきましょう」 というような表現で意思決定を促すということです。

ビジネスパーソンであれば一度は読んでみるべき本

結論としては、ビジネスパーソンであれば是非ご一読いただきたい一冊だなと思いました。当たり前だけど実践できていないことが多いと思いますので、この本を読んで伝え方に磨きをかけていきましょう!

佐々木 圭一 (著)