組織マネジメントには「公平性」が最も重要である

今日は、組織マネジメントには「公平性」が重要であるという点を記事にしたいと思います。

以前、こちらの記事に「公平と親切は相いれない」ということを書きました。そちらに関連しますが、結論から言えば、組織のマネジメントにおいては「親切さ」よりも「公平性」が重要です。

MBTI(性格分類)でいえば、思考型(T型)は「公平性」を求める傾向があり、感情型(F型)は「親切さ」を求める傾向がありますので、組織のマネジメントは思考型に分があると言われています。

もちろん感情型が求める「親切さ」については、世の中を円滑にする上でとても重要な点です。しかし「親切さ」は往々にして「不公平」を生み出してしまいます

当たり前ですが、誰かに親切にするということは、親切にしてもらえなかった人が出来てしまうということですね。もちろん、万人に対して均等に親切にできればよいですが、そんなことができるはずもありません。

なぜ「公平性」が組織のマネジメントにおいて重要なのか

それでは、なぜ「公平性」が組織のマネジメントにおいて重要であるかを説明したいと思います。それには歴史を振り返る必要があります。

たとえば、2000年以上も前の時代から現代にいたるまで、国民から租税を集めることは、国の死活問題であり、どの国も自国民を疲弊させない程度に、いかに多くの租税を集められるかが重要な政治要素でした。

特に昔は、現代のようにテクノロジも発展していませんから、すべて手作業で租税を管理していました。そのようなとき、何を基準に国民から租税を徴収していたかといえば、それは「法律」でした。法律を制定して、自国に住むすべての人に租税のルールを守ってもらうわけですね。

しかし、「法律」を制定しても皆に遵守してもらわなければ全く意味がありません。ではどうやって遵守してもらうか。そのキーとなるものは「公平性」でした。

なぜ「公平性」が重要であるかを理解するために、法律を策定しても不公平な世の中であった場合を想像してみましょう。法律はあれど、役人の機嫌次第で租税の量が変わってしまうような世の中です。そのような状況だとしたら、だれも法律なんか守りません。役人の機嫌を取ることだけに精を出すと思います。そうなると、国の租税を管理することなど全くできなくなるということです。

つまり、法律を厳格に守ることで民衆を平等に扱い「公平性」が確保できるようになったのです。

公平性を確保することによって多くの民衆の納得を得ることで、国という組織をマネジメントできてきた、ということです。

感情型の人は価値観を重視するため「公平性」を確保できなくなってしまう

では、あらためて、感情型の人が「公平性」を確保できなくなってしまうのは、どのような価値観に基づくのかを見ていきましょう。

MBTIでは、物事の考え方、判断の仕方で感情型か思考型かを分けます。感情型は、物事を判断するとき、自分の価値観にフィットするか、特定の相手にどのような影響を与えるかという視点で考えます。そのため、どうしても感情型の人は本人自体も気づかないところで組織にエコひいきを持ち込んでしまうのです。

エコひいきは、組織長におもねる太鼓持ちばかりを増やしてしまいます。太鼓持ちばかりでは、多様性とガバナンスが失われ、結果的に組織の力が弱まってしまうのは同然ですよね。

そして何より、エコひいきというのは、組織内の評価制度に持ち込みやすいものです。人事評価から「公平性」が失われてしまったら、誰もがやる気を失ってしまうでしょう。

組織をマネジメントする際には「公平性」が重要だということです。私もこの点はしっかり意識していきたいと思います!