ピーター・ティールとは何者か【逆張りと独占の哲学】

皆さん、ピーター・ティールをご存知でしょうか。

あのイーロン・マスクもいたPaypalを創業し、CEOとして牽引、eBayへ売却後はヘッジファンドとソフトウェア企業を立ち上げた人物です。

さらに、まだまだ駆け出しのFacebookで初の外部投資家となり、極め付けは前回のアメリカ大統領候補の選挙において、リベラルなシリコンバレーの人たちのほとんどがヒラリーを応援する中、トランプを支持して見事に逆張りに成功した人です。

彼の有名な言葉に「ほとんどの人が賛同しない大切な真実とは何か」というものがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

今日は、このピーター・ティールの本質を探っていきたいと思います。

ほとんどの人が賛同しない大切な真実とは何か

彼はこの言葉どおり、トランプ大統領候補の当選を的中させました。

また、 自由な雰囲気のシリコンバレーをモノカルチャー(単一的な価値基準のこと)で不寛容と批判し、教育に関しては大学教育は無意味だとして大学のドロップアウトを条件にした投資(ティールフェローシップ)をするなどしています。

なお、このティールフェローシップの対象者には、イーサリアムを創設したヴィタリック・ブリテンなどおり、メンツもすごいです。

この人が書いた有名な本がこちら「ゼロ・トゥ・ワン」です。

この本は、彼の大局的な物事の見方が最大限表現されており、多くの人が気づいていない真実を見抜き、信じた道を突き進むという彼の哲学が分かります。

ピーター・ティールの話は一見分かりづらいところもあるのですが、「ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望」では、彼の生い立ちと価値観がよくまとめられていると思います。

競争は敗者がするもの

ピーター・ティールの発言で、その他にも有名なものとして「競争は敗者がするもの」というものがあります。

競争で負けた人が敗者だというなら分かりますが、競争で勝った人も含めて敗者だとしています。

彼がいうところ、本当の勝者とは、「独占」する人です。たとえば、ペイパルもフェイスブックも独占できる力があったから勝者なのだとしています。

確かに、企業だけでなく、個人のキャリアを考える上でも、誰かと競争するのではなく、誰も手にすることができないスキルを身に着ければ、一番売れる人になりますよね。

まさにオンリーワンの強さだと思います。

Libraは、国家を超えたティールの思想そのもの

彼はあまり国家に期待していないという点も面白いです。

海洋都市の建設を考えたり、もしも第三次世界大戦が起こってしまったらということでニュージーランドの永住権を取得したりと、かなり考え方が先進的です。

海洋都市の建設を考えたり、もしも第三次世界大戦が起こってしまったらということでニュージーランドの永住権を取得したりと、かなり考え方が先進的です。

国家を超えた枠組みの一環で、彼はFacebookのLibraを主導しています。

Libraは、Facebookの利用者数(20億人)がそのままユーザー数になってしまうという圧倒的なポテンシャルをもつ仮想通貨です。

そして、Libraだけで一つの経済圏を創ろうとしています。

トークンエコノミーといわれるもので、たとえばLibraで給料が支払われて、Libraでモノが買えるということです。このようになればドルや円といった法定通貨を使う必要がなくなるということです。

Libraは複数の法定通貨や資産でその価値を裏付ける「通貨バスケット制」を採用するので、ビットコインみたいに激しい価格変動も起きず、利用者は安心してLibraを使えるようになるでしょう。

非中央集権を目指しているのに、ビットコインの発行量の9割を上位1%が保有しているという矛盾がありますが、Libraではそれが解消できるかもしれません。

こうした多くの人が気づいていない、または賛同新しいことを新しいこと考え出し、実際に行動するのがピーター・ティールです。今後も彼から目を離せません。