「最近の若者は・・・」「あの上司とは価値観が合わない・・・」
これは、どこでも良く聞くセリフです。
私はダイバーシティの記事(こちら)にも書いたとおり、人に偏見を持つのは良くないと思っております。
その一方で、MBTIの記事(こちら)に書いたとおり、他の人が自分とは異なる価値観で生きていることを理解することは、円滑な社会を創っていく上で重要だと考えています。
そこで今日は、日本人の現役世代にフォーカスを当てて、世代ごとにどのような価値観を持っているのか(持っている傾向にあるのか)を見ていきましょう。
価値観というと分かりづらい部分もあるため、本質的な欲求として何を求めているのかを考えていきます。
世代ごとの価値観
結論からいきます。
生まれた年 | 呼称 | 価値観 | 影響を与えた出来事 |
~1969年 | バブル世代 | 物欲 | バブル(1980年代) |
1970年~1989年 | ロスジェネ世代 | 安定欲 | バブル崩壊(1991年) |
1990年~ | ゆとり世代 | 絆欲 | 震災(2011年) |
まず、それぞれの世代の価値観を考えるとき、人がもっとも多感だと言われている20歳前後に何が起きたかに着目すると分かりやすいです。
バブル世代ではバブル好景気、ロスジェネ世代ではバブル崩壊、ゆとり世代では震災という感じです。
バブル世代
まず、1969年までに生まれたバブル世代ですが、彼らはまさに現役世代で企業を引っ張っている人たちです。
多感な20歳前後では東京オリンピックからのバブル景気を経験しており、ジャパンアズナンバーワンの時代を体感した人たちです。
しかし、言い換えれば、それ以前の日本はナンバーワンでも何でもなく、戦後で何も無くなってしまったところから復興を遂げてきた過程がありました。
もともと持たざる者であった日本の人々が急にお金を得て、家電から車から家まで、今まで持っていなかったものをどんどん買っていった時代です。なんとなく、今の中国の人々に同じような感覚があるでしょうか。
そうした時代背景であれば、自ずと彼らの欲する根幹が物欲となるのは当然かもしれません。
ロスジェネ世代
1970年~1989年に生まれたロスジェネ世代ですが、彼らは現役世代で最も脂がのっている人たちです。
彼らが生まれた頃は、日本はかなり豊かになっており、最初から必要なモノは全て揃ってしまっている時代でしたので、バブル世代のような物欲を必要としない世代です。
一方で、多感な20歳前後でバブルが崩壊し、就職氷河期に直面した世代でもあるため、右肩あがりの従来の価値観が崩れ、日本経済が長い停滞期間に入ったのを肌で感じています。
それゆえ、彼らは安定を求める傾向が強いというのはわかりやすいですね。安定の求め方としては、キャリアアップに求めたり、大企業への就職に求めたりと様々です。
ゆとり世代
1990年以降に生まれたゆとり世代ですが、彼らはいわゆる現代の「若手」です。
彼らにとってインパクトが最も大きかった社会的な出来事は、もちろん東日本大震災です。この影響によって、この世代では人との絆や社会貢献というものを強く求める傾向があります。また、スマホやSNSがふつうに存在していた世代なので、仲間同士での繋がりを自然と強化できたという点も注目すべきことです。
この東日本大震災とスマホ普及が多感な時代に生じたという背景により、その他の世代と比べて、この世代は「仲間との絆」と「社会貢献」を強く欲しています。
一方で、バブル世代のような物欲、ロスジェネ世代のようなキャリアアップ志向といったものは相対的に低くなっています。これは、日本の失われた30年を過ごしてきたゆえに、物質的欲求の水準が低くならざるをえないということも関係しています。
いかがでしたでしょうか。
このように世代感の価値観のギャップを大枠で捉えておくことで、自然と世代感でのコミュニケーションにおける論点が見えてくるのかなと思います。
引き続き面白いブログを書いていきますので、応援よろしくお願いします!