人は、集まれば意見が異なるものです。
意見が異なると、たいていの人は相手を嫌いになりますので、すれ違ったままになります。
しかし、ビジネスの現場では、意見の差異を見過ごしたままにすることはリスクでしかありません。後に必ずや禍根を残しますので、必ず話し合っておくべきと考えています。
そして、意見の差異を明確にするためには、まずは自分の意見を言語化する必要があります。察しの文化である日本人は、ここが弱い方がとても多いです。
なぜ、自分はそう思うのか、やはり言葉に出せないといけません。なんとなくそう思うからでは、誰も聞いてはくれません。
もちろん、科学の世界では、宇宙や超常現象の一部で説明できないこともあるでしょう。それは、現代の文明では仕方のないことです。
しかし、自分がどう考えるかというのは、内省が不足しているに過ぎません。そもそも、言葉に出せない時点で、わかった気になっているだけです。
言語化のルールは、論理的であること
言語化には、1つだけルールがあります。それは論理的であることです。
なぜなら、論理的ではない感情的なことを言われても、それは子供の駄々と同じであり、誰も納得してくれないからです。
感情的なことをいっても、同情は得られるかもしれませんが、相手との意見の相違点は明確にできません。ましてや相手を説得したり、交渉で勝つことなど到底できません。
論理的とは、事実に基づくこと
論理的に物事を説明するには、事実に基づく必要があります。
そして、この事実を踏まえて主張を論理的に説明していくのです。
具体的に言います。
たとえばあなたの会社の方針として、AとBという2つのビジネスがあって、どちらかに資源を集中しないといけない状況だとします。
その際、あなたの興味がAにはなく、BにあるからBに資源を集中しようと言っても、誰も納得しません。
そのため、AとBを公平に判断するための軸を決めて、それぞれのメリットデメリットをはかる必要があります。
軸は、ビジネスなので現時点の収益性、将来での収益性、市場規模といった誰もが納得するものを論理的に選択します。
この軸ごとにAとBを事実に基づいて評価し、軸の優先順位を論理的に示した上で、良いほうに資源を集中するということになります。
このように、分析するための軸の整理し、事実に基づき論理的に自分の結論を話すことが言語化するということです。
言語化に迷ったら、目的に立ち返る
言語化に迷ったら、自分の考えていることが、本来果たすべき目的にどのように適っているのかということを考えればよいのです。
言語化できないときは、分析軸が分からなくなっているときです。それはつまり、論じる対象物が何のためにあるかを考え切れていないのです。
たとえば、あなたが野球に興味を持っており、それを人に論理的に説明したいとします。
その際、スポーツとしての目的、野球としての目的を考えれば、エンターテインメントとしての野球、身体を動かすスポーツとしての野球という感じに、分析軸が出てきます。
そして、そこからなぜ興味があるのかを事実に基づいて説明できるというわけです。
まとめ
意見の相違点を見つけるには、まず、事実に基づいて論理的に整理することで、あなたの意見を言語化することから始まります。
長々と語ってしまいましたが、ビジネスの現場では、この言語化能力で左右されるといっても過言ではありません。言語化能力は、意識的に伸ばしていけるとよいと思います。