デジタル戦略、デジタル人材・組織、デジタルプラットフォームとは何か【網羅的かつバズワード多用な一般論】

今日は、一般的に言われているデジタルについて、あまり勉強したことがない人向けに、網羅的かつバズワード多めにまとめました。

デジタルについては、色々な分類の仕方がありますが、企業がデジタルについて考えないといけない場合は、デジタル戦略、デジタル人材・組織、デジタルプラットフォームの3つの視点で考えれば少なくとも問題ありません。

この記事を読めば、意識高い系の人がバズワード多めにデジタルについて語っているのを聞いたとしても、なんとなくどこの話をしているんだなということが分かるようになると思います。

そうそう。意識高い人たちの話って、妙にカタカナばかり言うから、何言っているのかさっぱりわからないんだよね

そう思いますよね!では行ってみましょう。

デジタル戦略

近年は、IoT、AI、RPAといった新しいデジタルテクノロジーの出現によって、リアルや人手で行っていた既存のビジネスモデルが破壊され、デジタルで自動化・電子化された新しいビジネスモデルが生まれています。

現代は、既存のビジネスモデルでは生き残れない「不確実性の高い(VUCA)」時代といわれています。そのため、今までと同じビジネスの延長で考えるのではなく、アジリティ(機敏性)を高くもって社会や産業構造の変化に迅速に対応し、デジタルを企業の競争力の源泉として活用することが重要です。

企業では、まずは自社としてどのようなデジタル戦略を取っていくべきか考える必要があります。その戦略においては、単にシステムによって効率化することを求めるだけではなく、既存の枠組みに囚われない発想によってビジネスモデルを継続的に変革し、新たな価値を創造するための戦略が必要となります。

デジタル戦略は、特定の部門や機能を対象にするものではなく、企業全体にわたる広範な観点で考えてデジタルストーリーを作っていくことになります。そのため、企業の経営層が深く関与し、部門横断・機能横断にて検討を行い、企業内での共通認識を醸成していきます。新たな価値を創造するだけではなく、付加価値や差別化につながっていない既存のビジネスの複雑性についても取り除くことを考えていきます。

その際、重要となってくるのはデータです。顧客等の行動モデルをデータ化し、データアナリティクスを活用して全く新しい収益源をデータドリブンで見つけていきます。そのためには、個社のみで考えるのではなく、必要に応じてビジネス商流にある取引先と情報を共有したり、業界の垣根を超えた企業間連携を行ったり、大学と産学連携を行ったり、買収等のM&Aを行ったりすることで、大きなエコシステムを構築する考えられます。

どのような施策を講じるかについては、他社事例を参考にすることもよいです。他社事例をみると、おそらくデジタル化の発想自体は奇をてらったものではなく、それを実行できたことが素晴らしかったという点に気づくでしょう。デジタル戦略は、絵に描いた餅ではなく、実行まで練り上げることが重要なのです。

デジタル人材・組織

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VUCA時代となり、新卒一括採用、終身雇用、年功型賃金といった日本型雇用システムが崩壊した現代においては、事業戦略に合わせたデジタル人材の採用、育成が重要となっています。

デジタルによって、多くの職業が消える一方、デジタルを活用した新たな仕事も次々と生まれており、今持っているスキルに安住するのではなく、デジタルによって新しく生み出された仕事に必要なスキルもキャッチアップしていことができる人材です。

デジタル人材は、企業や組織の壁を超えたコラボレーションを生み出すとともに、自らも業界や事業への造詣を持ち、デジタルに関する高い専門性も有している必要があります。顧客や自社内からのフィードバックをもとにカイゼンを繰り返して全体のエクスペリエンスを高めるリーダーシップも求められ、アジャイルやスクラムの進め方も理解している必要があります。

しかし、多くの企業にとって、このようなデジタル人材の確保は経営課題となっています。今後は、組織の中心になりつつあるミレニアル世代のデジタル人材を惹きつけるためには、モノよりもコト(経験価値)を重視する彼らのニーズに応える必要があります。

デジタルを進めるにあたっては組織設計も重要です。業務の効率化や高度化のみならず、新たな商品・サービス・ビジネスモデルの創出を行うには、特定の部門だけでは困難なため、組織横断でデジタル化に取り組むことになります。

デジタルを担う組織として、各部門の代表者を選出して集め、デジタル推進室を新設するケースも多いでしょう。その場合、既存の業務・IT部門との役割分担の定義であったり、イニシアティブの取り合いによって、デジタル化が阻害される場合もあります。

デジタル推進室のポジションが、どこまで全社をコントロールすべきかは、企業固有の状況や文化によって左右されます。いずれにしても、デジタル人材は、こうした組織横断の取り組みに対して、組織のカルチャーを変革する主体的な役割を担うとともに、コンフリクトを恐れずに推進できる知識と度胸が必要になります。

デジタルプラットフォーム

デジタル時代においては、顧客との接点が多様化する中、消費者もミレニアル世代が台頭してきていますので、顧客との長期的な関係構築、顧客体験の向上、商品ベースからサービスベースのビジネスモデルへの移行が重要となります。

対面・人を前提とせずに、スマートフォンやSNSなどのソーシャル・メディアなども活用しながら、顧客の行動モデルデータに基づいて顧客視点で情報を提供し、企業ブランドの向上を行いつつ、売りに繋げていきます。

このようなビジネスモデルでは、それを支えるデジタルプラットフォームとデータの整備が必要となります。データマネジメントとして部門横断でカタログ作成などの整備が行っていくことも必要となります。

もちろん、ECやSNSなどの顧客接点となるデジタルツールやITシステムに限らず、企業の内部にあるコーポレート部門や生産管理部門の業務についても、RPAやクラウドなどを活用しながら効率化していきます。IoTやビッグデータ分析を取り入れてシステムを再構築することもあるでしょう。

RPAは海外ではデジタルレイバーとも呼ばれ、ホワイトカラーの間接業務を急速に自動化していることもあり、コーポレート部門においてはルーティン作業を可能な限り減らし付加価値の高い業務へシフトし、人員配置の最適化とコスト削減することも求められます。

また、R&D部門ではデザイン思考を取り入れてイノベーションを促進したり、業界や産学の垣根を超えたコラボレーションも重要視されています。こうしたオープンイノベーションを支えるためのデジタルプラットフォームを構築する際には、知的財産をどのように守るかも重要な論点となっています。

守りとしては、プライバシーやBCPの観点からサイバーセキュリティにも投資を行うとともに、デジタル課税などの新たな問題についての各国・地域動向をキャッチアップして未然に対応していくことも必要となります。