コンサルファームごとのMissionの比較

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コンサルファームの企業文化は、ミッションに現れます。

多くの方は、企業が掲げるミッション(またはパーパス)をただの標語だと思っているのではないでしょうか。

しかし、このミッションにこそ、その会社が目指しているDNAが秘められているのです。

今日は、主要なコンサルファームのミッションを比較するというアプローチで、各ファームのカラーを炙り出したいと思います。

マッキンゼーのミッション

Our mission is to help our clients make distinctive, lasting, and substantial improvements in their performance and to build a great firm that attracts, develops, excites, and retains exceptional people.

私たちの使命は、独特かつ持続的かつ重要なパフォーマンスの改善が行えるようにクライアントを支援し、優れた人材を引き付け、育成し、興奮させ、保持する素晴らしい会社を構築すること

マッキンゼー

このミッションの特徴は、何といっても後半に記載されてある「優れた人材~~」の部分でしょう。他のファームがクライアントの問題解決にフォーカスしている中、マッキンゼーは人材を引き付けて育成すると明言しています。

コンサルティング会社は、問題解決を売っているので、その競争の源泉は人材となります。この点をしっかり踏まえて、自分たちのミッションに落とし込んでいるあたり、さすがマッキンゼーだと思います。

ボストンコンサルティンググループのミッション

BCG's mission is to unlock insight and have the courage to act. We challenge established thinking and drive transformation: Shaping the future. Together.

私たちはインサイトを深く追求するとともに、勇気をもって行動します。適切なメンバーが協働して、既存の考え方を刷新し、変革を推進します。そして、クライアントとともにクライアント組織が持続的優位性を獲得できるよう組織能力向上に取り組みます。共に未来を形作るのです。

ボストンコンサルティンググループ

マッキンゼーがあるべき姿を追求するのに対して、BCGはクライアントの動きに合わせて対応する印象があります。

このミッションでも「クライアントとともに」とわざわざ明記されていることから、BCGの文化として、あるべき論よりもクライアント目線であることを重視するというメッセージがあるように思います。

余談ですが、BCGはマッキンゼーと比べて、日本企業とのパイプが太いと言われています。日本企業は外資企業と比べると、あるべき姿に基づいて合理性を追求するということがどうしても苦手です。BCGが日本で根付いているのもこうした文化があるからなのではと思います。

デロイトのミッション

Deloitte makes an impact that matters.

私たちは、最も重要なインパクトを創造する。

デロイト

デロイトらしいシンプルなパーパスだと思います。

Deloitte network Purpose というページには、日本語でたくさんの補足が記載されていますが、やはりこのシンプルなキーワードがデロイトの文化を形作っているのではないかと思います。

PwCなどが社会との信頼というキーワードを前面に出す中、デロイトは合理的に推進するという気概を感じます。

PwCのミッション

Build trust in society and solve important problems.

社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する。

PwC

重要な課題を解決するというところは、他のファームでも全く同じですが、前半の「社会での信頼」というキーワードがPwCらしさを出しています。

PwCもデロイトも同じ監査法人系のコンサルティング会社なのですが、デロイトが合理型であるのに対して、PwCは社会性を重んじる感情型のイメージがあります。

PwCは人が優しいという表現がよく行われますが、合理性を追求するコンサルティングファームらしからぬ感情型というアプローチが、良くも悪くも他ファームとの差別化になっているのではと思います。