今日は、コンサルティングファームは激務なのかという点について、10年以上、コンサルティングファームで仕事を続けている私から実態をお話いたします。
結論からいきます。
激務だったのは10年以上も昔の話。今はけっこう早く帰れる。
10年以上前はひどかった話
私がコンサルティングファームに入社した頃は、正直言って、どのプロジェクトも22時頃に帰るのが普通でした。
帰るのが遅いことが普通のため、わたしのように線が細いタイプはともかく、パワフルな人たちは夜中の3時頃まで働き、終わったあとにそこから朝まで飲みにいくというようなこともありました。
そして、たまに定時付近に帰るときなどは、働いている同僚になぜか申し訳ない気持ちが芽生えるような雰囲気さえありました。
その当時は、ワークライフバランスなどという言葉も浸透していなかった時代であり、日本全体が長時間労働を肯定せずとも否定はしていない時代でした。1990年のリゲインのCM「24時間働けますか」に代表されるような 「遅くまで働く人こそデキル人」みたいな文化も色濃く残っていたと思います。
そういう時代であった上に、コンサルティングファームということもあって、単価が高く、短時間で普通の人の二倍の成果を出さなければならないというプレッシャーもあったことから、パフォーマンスを長時間労働でカバーせざるをえないところもあったと思います。
急にワークライフバランスを謳いだした
そうした中、世論に合わせて、コンサルティングファームでも5年ほど前からワークライフバランスを謳いだすようになりました。
プロフェッショナルな仕事に対しても当局からの目が届くようになってきたため、マネジメント層が急ピッチで労働環境の改善に取り組み始めたということです。
それに加えて、長時間労働主義なバブル世代が一線を退いてきて、代わりにワークライフバランス重視のゆとり世代が入ってきたことも見過ごせないだったと思います。
つまり、いくら給料が良くてもワークライフバランスの取れない会社は、若者に選ばれなくなってきたのです。
そのため、ワークライフバランスの改善は、人を集める上でも急務だったわけです。世代間の価値観の違いについては、こちらの記事をご参照ください。
コンサルティングファームはけっこう普通の会社になった
このような理由から、コンサルティングファームの労働環境は急激に改善され、労働時間も次第に減っていきました。
そして現在、定時でしっかり帰れるプロジェクトも多くなっています。仕事帰りに飲みに行ったり、友だちと遊んだりという人もかなり増えました。昔はワーカホリックばかりでしたからだいぶ様変わりした印象です。
世論に合わせて、クライアント側も変わったと思います。10年前であれば明日朝までに仕上げてくれと言われていたようなものが、こちらも無理であればそう返しやすくなりました。
そして、モバイルデバイスの浸透でスキマ時間に作業を進められるようになったり、リモートワークが認められるようになったことも大きいです。
わざわざ会社で仕事をしなくても良いケースが増えましたので、移動時間などの無駄もかなり減ってきたと思います。
コンサルティングファームは、創成期や安定期を超えて変革期に入っているといえます(こちらを参照)。働き方も変わってきているということです。
そういう意味では、良くも悪くも、コンサルティングファームは普通の会社になってきたという印象を持っています。