【ゴルゴ13の哲学】現代の世界情勢とプロフェッショナルの在り方が詰まった現代の名作

‪ゴルゴ13は、さいとう・たかを氏による漫画で、1968年11月からビッグコミックにて連載をしており、一度も休載したことがないというとてつもない作品です。‬

‪超一流のスナイパー(狙撃手)である「ゴルゴ13」ことデューク東郷が、世界の要人たちから様々な難しい依頼を受け、スナイプ(要は殺しです)をこなしていくという漫画です。

今日は、ゴルゴを読んだことがあることを前提に、ゴルゴのうんちくは抜きにしてなぜゴルゴが魅力的なのかを語っていきます。

現代の世界情勢が描かれている

まず、ゴルゴは、そのストーリーの奥深さが大きな魅力となっています。

ゴルゴは劇画ということで、ストーリーにリアリズムを追求しています。ゴルゴがスナイプを依頼されるときには、その時代背景に合わせて現代の世界情勢が細かく描写されており、かなり深いところまで調査されたことが分かる内容となっています。

麻生太郎氏をはじめとして、多くの政治家がゴルゴで世界情勢を勉強しているとも言われており、米ソ冷戦、中国台頭、核問題、マネロンなどなど、その時代の最新のトピックが盛り込まれています。

そうしたリアル感が、ビジネスの現場で働く大人の男にとって、自分が戦っている日常とも重ね合わせやすいのです。

プロフェッショナルとは何かを教えてくれる

次の魅力は、誰もが関心するであろうゴルゴのプロフェッショナリズムです。

ゴルゴに依頼されるスナイプは、ふつうのスナイパーでは不可能なものばかりです。それゆえに、ゴルゴは徹底的な準備をして臨みます。

普段からのトレーニング、語学などの鍛錬、社会情勢の知識、依頼内容に対しての情報収集、道具への手入れなどなど、いわゆる準備という言葉だけでは片付けられない入念さをもって、自分の仕事に立ち向かっています。

大人の男にとって、日々適当に仕事をこなしている自分と比べて、ゴルゴのそうした入念な準備が非常にカッコよく見えるのだと思います。

このあたりのプロフェッショナリズムは、元プロ野球選手のイチローさんに通じるものがありますね。

ゴルゴの哲学がカッコいい

Photo by Thom Schneider on Unsplash

ゴルゴの言葉、行動、生活には無駄が全くありません。

まず、言葉はほとんど「…」です。究極に無駄が無いのですが、それゆえときどき話す言葉には、ゴルゴの哲学の真髄が流れているのです。

  • その”正義”とやらはお前たちだけの正義じゃないのか?
  • 俺は、ただ……依頼者が絶対的に求める、技量と、価値観を身につけるよう心がけているだけだ……
  • ……男なんてのは、自分が一番良いと思う事をやるしかないんだ……たとえそれが、他人から見て、どう映っていようと……な。そして、一度決めたら状況がどうなろうと信じるしかない……
  • この場を逆転できる手段があったのなら、余計な口を利いてないで行動することだ
  • 最後までチャンスを待つのが本当のプロ

こうしたゴルゴの言葉には、理想や見栄といった余計なことを考えずに、今やるべきことに腹を括って、全力を尽くすという哲学が一貫して流れています。

この点が、現代社会に迷いながらも歯を食いしばって生きていく大人の男の共感を得ているのだと思います。

皆さんも是非、ゴルゴの単行本を手に取ってみてください。最後に、わたしのオススメの話である「白龍昇り立つ」が入っている文庫版100巻である「情報遊戯」をご紹介しておきます。