
コンサルタントという職業は「成長スピードが速い」とか「基礎的なことがたくさん学べる」といったことをよく言われます。
その一方で、「コンサルは事業を行ったことがないので、実際のビジネスでは役立たない」といったマイナスの評価を聞くこともあります。
今日は、コンサルタントのスキルは、事業会社にいるビジネスパーソンにとって本当に役に立つものなのかという点についてお話したいと思います。
コンサルティングファームで学べること
結論からいうとコンサルで身につくスキルは、ふつうのビジネスパーソンにとって役立つものです。
コンサルで身につくスキルのうち、ふつうの事業会社でも特に役立つであろうスキルは以下です。
- 変革を推進するための思考力・行動力
- 最新かつ汎用的なソリューション
- トップから現場までを巻き込むコミュニケーション力
まず、コンサルタントというのは、クライアントの変革時に必要となる存在です。クライアントと一緒になって(ときに代わりとなって)クライアント自らを変革するときに必要となる存在です。
クライアントの変革における実行支援では、クライアントに一番近い立ち位置で様々な交渉や調整を実施していくことになりますので、上記のようなスキルが身につくのです。
実行支援のスキルは普通のビジネスパーソンにとって実用性が高い

通常のビジネスパーソンにとっては、コンサルの戦略系案件で身につくスキルよりも、実行支援系で身につくスキルのほうが役に立ちます。この点は、私も事業会社に在籍していましたので実感があります。
そもそも通常のビジネスパーソンには、「戦略を策定するために何かをリサーチする」といった機会は実はめったにないかなと思います。
一方で、実行支援系のような「課題解決に向けた対策を自ら行い、多くのステークホルダを巻き込んで利害関係を調整しながら推進する」といった機会は頻繁にあるのではと思います。
このように考えると、コンサルティングのスキルについては、戦略系よりも実行支援系のほうが、普通のビジネスパーソンにとっては実用性が高いのです。
実務経験があるから伝えられるもの
もちろん、コンサルのスキルは、人から説明してもらったり、本を読んだだけでは身につきません。
ましてや、コンサルティングファームに勤務している人であっても、最低でも5年以上在籍していてスタッフ及びマネージャの両方を経験した人でなければ、本当の意味で身についたとは言えません。
コンサルの仕事はキラキラしたものではありません。泥臭い実務や、苦い失敗を通してスキルを学んでいくには最低でもそのくらいの時間と、様々な立場での経験が必要なのです。