なぜ新卒をコンサルタントとして採用するか

コンサルティング業界の七不思議?の一つとして、なぜ新卒が、専門性を売りにしているはずのコンサルタントになれるのかという点があります。

わかる!

だってこの前まで学生だったのに、何の専門性もないもんね、ふしぎ。

今日は、こうした疑問をお持ちのクライアントサイドの方、そしてこれから就職活動でコンサルタントを目指そうと思っている方々に、なぜそうなのかということをご説明します。

一般的に考えられているコンサルタントの価値

そもそもコンサルティングというのは、一部の小さい企業を除き、消費者向けのサービスではなく、企業向けのサービス(BtoBビジネス)です。ゆえに、普段からコンサルを使い慣れていない普通のビジネスパーソンにとっては、コンサルって一体何者?という感じだと思います。

その上に、コンサルティング会社の商品そのもコンサルタントの能力という無形のサービスであるため、外の人にはとても分かりづらいのかと思います。

また、コンサルト(相談する)という英語からも、専門知識が売り物であるというイメージが強いので、なぜ専門知識を持っていない新卒を採用するのかという点は、特に理解しずらいのではないかと思います。

コンサルタントの売り物である3つの能力とは

Photo by Perry Grone on Unsplash

実は、コンサルタントの売り物としての能力は大きく3つであるのです。

専用知識

  • 専門知識(業界知識、ソリューション知識)
  • コアスキル(思考力、人間力)
  • マンパワー

専門知識とは、業界固有の知識であったり、戦略や会計や人事の業務やテクノロジーといったソリューション知識を指します。

たとえば自動車メーカーの事業戦略を立てる際には、自動車業界の事情やトレンドに精通している必要がありますが、そうした知識を指します。一般的に、この専用知識こそが、コンサルタントを雇う理由と思われていると思います。

ただし、専門知識というのは、情報の非対称性(クライアントとコンサルタントとの知識の差)があれば商売として成り立ちますが、ググればある程度の情報が集まる現代においては、ここだけで稼ぐのは辛くなっています。

コアスキル

コアスキルとは、思考力(ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、目的思考、等)と、人間力(リーダーシップ、チームビルディング、交渉力、等)です。

コアスキルは課題解決においてもっとも必要なスキルです。クライアントの課題やニーズを分析し、何をすればよいのかといった対応施策を作り、それをクライアントの経営層や色々な部署の方に納得してもらうために重要なスキルとなります。

コアスキルの重要性は、このように説明すると理解しやすいですが、一般的にはコアスキルと言われてもイメージがつきづらいと思いますので、こちらの記事に詳しく書いています。

マンパワー

マンパワーについては、コンサルタントが高級派遣業と揶揄される所以です。コンサルが高級派遣になってしまう理由については、こちらの記事に詳しく書いています。

マンパワーが主な売り物になってしまう場合というのは、専門性がそこまで必要ない管理系の事務作業などをコンサルティング会社がクライアントから委託を受けているときです。

クライアントの手の回らない仕事で、普通の派遣会社には委託できないようなものもありますので、クライアントにとっては価格さえ気にしなければ、気の利いたコンサルタントに委託するのが楽だという気持ちも分かります。

新卒コンサルタントに期待されること

結論から言えば、コンサルティング会社が新卒に期待しているのは、まずはマンパワー、その次は少しずつ育てていって二年目以降くらいからコアスキル、最後に専門知識(ここまでくると、もはや入社して数年経っている)となります。

確かに新卒は、入ったばかりはあまり役に立ちませんが、このように、コンサルティング会社の売り物は専門知識だけではありませんので、新卒でも役に立てることはあり、1年たてば立派な戦力になってくるということです。

ちなみに、マンパワーだけだと今のようなコンサルティング会社の給与体系を維持するのは、絶対に無理です。ですので、このマンパワーの比重が高まったコンサルティング会社から、給与体系の低下が始まっていくことになります。