
今日は、コンサルタントとしてのコアスキルとは何かを話していきます。
長い間、コンサルタントをやってきて、現代に合った汎用的な能力とはなんぞやということについては常日頃から考えてきましたので、今日はその結論を皆さんに共有したいと思います。
もちろん、今日の話にはコンサルタントに限った話ではなく、世界中にいるビジネスパーソンに共通した必要スキルとなります。
経済産業省が発表している社会人基礎力
コンサルタントのコアスキルをお話する前に、経産省がまとめた人生100年時代の社会人基礎力というものを説明する必要があります。

これは2006年に経産省が提唱したもので、少し古いものの、社会人に必要な基礎能力を一般化したものとしてはけっこう良く出来ています。
この社会人基礎力は、2018年に人生100年時代を見据えてアップデートされており、上図の絵の要素に加えて、リフレクション(振り返り)を通して以下の3要素を加えることが重要だと言っています。
- 【目的】どう活躍するか
- 【統合】どのように学ぶか
- 【学び】 何を学ぶか
頻繁にコンサルタントの間で問われる「コアスキル」については、概ね、この社会人基礎力で表すことができます。
ただし、あくまでも基礎力を表現しているものなので、知識力という重要要素が入っていないことと、前に踏み出す力と定義されるものには自己管理の側面が足りないという思いがあり、今回、こちらをベースに整理し直すことにしました。
社会人はこのスキルを磨こう
それでは、社会人基礎力をベースに、もっとシンプルで本質的かつ包括的な必要能力をお伝えします。
思考力

思考力の本質は、洞察力です。
洞察に必要な力は、他人に言われた通りのことをするのではなく自分自身で目的意識を持って取り組むこと、必要なファクトを集めロジカルに分析し具体的なアクションに落とし込むことです。
目的思考の重要性については、こちらの記事、事実をもとに考えることの重要性については、こちらの記事を参照してください。
人間力

人は一人では生きてはいけないし、一人では仕事もスケールさせることができません。よって人とうまくやっていく力というのは重要です。
そもそも、人間力というのは、人と仲良く働きましょうという単純な話ではありません。人に影響を与えて動かすということが本質です。
人間関係の攻略法といえば、デール・カーネギーの「人を動かす」です。こちらの記事で紹介していますので、是非ご覧ください。
さらに、人を動かすにはどうしても交渉力が必要です。最強の交渉術についてはこちらの記事を参考にしてください。
緊張しがちで人と関係を構築するのが苦手と言う方はこちらの記事を参照してください。
自助力

これは最近、もっとも重要といわれている能力かもしれません。
簡単にいえば、モチベーションを含めて、自分のことを自分でコントロールしていく力です。
これまでのように、アメリカを真似して右肩上がりの成長を遂げていた時代は終わりました。
インターネットを始めとしたテクノロジの台頭で目まぐるしく変わっていく状況を理解し、自分が何を成し遂げたいのかをビジョンとして描き、自分を律していく力です。
自己管理の本質はこちらの記事で書いています。
知識力

一時期、インターネットの台頭で知識はググれば誰もがいつでも手に入ることができるようになったといわれました。それに伴い、専門知識は価値は下がったと言われました。
しかし、依然として、人の頭の中に入った専門知識というのは重要な能力の1つとして君臨しています。
なぜなら、それは新たな発想を生み出す能力(ひらめき)と関係しているからです。
茂木健一郎氏は「ひらめきというのは、0から1が生み出される過程ではなく、すでに存在する情報が組み合わせをかえて新たに結びつくプロセス」といいます。
ひらめきには、少なくともインプットとして知識量が必要ということです。